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週刊わやソング

2003.8.14号

特集:ときに故郷を想う

やっと梅雨も明け、夏らしい日差しがやってきて、って書こうとして、
いやまて今年は雨が多いよなあって改めて思うのです。
ずっと、「一福」でひきずってきた特集も一区切り。
どうやら最悪の夏閉店というのは避けられたようで。

もう夏休みも半分以上が過ぎて、息子たちはだんだん現実に帰っていくわけなのですが、
ボクにはまだ始まったばかりって感じがしてるんですよね。
それというのは、毎年夏には欠かさない故郷への帰省が終わったばかりで、
この年中行事はここのところ7月末か8月初めに行われることが多かったからなのです。

ボクの出身は四国です。徳島県生まれだけど、高知県にも香川県にも住んだことがあって、
小学校6年から中学・高校は愛媛県で暮らしたので、あえて四国出身といっています。
今のように歌を作り始めたのは大学生になって名古屋で暮らし始めてからなので、
故郷・四国のことはどうしても思い出話になってしまうのですね。

そんななかで、学生時代にリアルタイムで故郷を想いながら作った歌が『梅雨明け宣言』です。
さだまさしさんの『案山子』に通じるものがありますよね。
これ以降の歌は全て「故郷はもう記憶の一部」といった感じで、
現在にいたる自分の思い出の一部になってしまっています。

例えば、特集したばかりの『一福 −青春編−』では、
秋に一人ちょっとさびしい気持ちになったときに想うものとして歌われていますね。

先日、高橋忠史さんにも「いいね」と言っていただいた『折りたたみ椅子』では、
ボクの人生そのものを折りたたみ椅子に託して歌っているのですが、
ボク自身と同じように四国で生まれ、旅をして名古屋に来た「椅子」が現存するところが面白いのです。
今もウッドデッキにあるその「椅子」を見ると当然故郷を思い出すことになるのです。

モノとしては現存しないけれど、同じように自分の人生を自転車に託して歌ったのが『自転車と僕と』です。
手作りの椅子と違って、自転車は乗りつぶしていくものですからね。
先日、帰省の際に母校の小松高校に久しぶりに寄ってみました。
丘の上にある高校には遅刻坂と言われる坂を登って登校していたのですが、
裏に崖道があって、ボクが高校のときにそこを自転車に乗って降りたのは自慢話なのです。
で、その崖道を息子たちに見せてやろうと思ったのですが、
・・・コンクリート舗装されていました。

あまり歌っていない歌に『昭和76年』というのがあります。
父母のことや自分の生きてきた年月のことを真面目に考えています。
普段はそんなこと考えてないっていうのが「故郷」的ですよね。

そして、思い出を語る歌はまだまだ出来そうです。
現在構想中のものもいい歌になりそうだし。

ボクの思い出ではあるけれど、
聴いてくれる人にも似たような経験があると、感情移入してくれて、
けっこう受けるのが嬉しいのです。
今年の新曲『自動車運転免許』もそうでした。
みんな運転免許や愛車には思い入れがありますからね。

そうそう、今回の帰省でボクの愛車は5万qまであと少しとなりました。
けっこうハイペースですよね。
でも決して親父の走った距離を超えることはないのです。
もちろん1台の車が走る距離のことでなしに、ですが。

なぜか、やたら「長い歌」特集と重なる選曲になってしまったのでした。

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