週刊わやソング2000.7.21号     前号へ  次号へ  バックナンバーへ

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「梅雨明け宣言」       1984.7     MP3で聴けます

梅雨が明ければ 焼け付くような陽射し
昔遊んだ あの川にも また夏が来る
土手の草をかきわけ 川原を一人歩く
水溜りに取り残された 小魚が白く光る

   故郷遠く 一人暮らしの街 アスファルトも溶ける昼下がり
   扇風機の風に あたりながら 束の間のうたた寝に思い出す  ああ
   蔦の這う  青い屋根の  懐かしい あの家

海を見下ろす 小高い丘に立つと
路地裏までも知っている 町並みが目に映る
前に居たときは 花見にもまだ早すぎた
今度帰るときは もう 夏祭りも済んでますね

   二週に一度の電話の便り 体を気遣うお袋に
   百円玉を数えながら 言葉に出さず「ありがとう」 ああ
   僕を待つ 父母(ちちはは)の 懐かしい あの顔

四季の移ろいを 体中で感じていた
意味も無く 野や山を 友たちと駆け回り
汗を拭いながら 果物をもいで食べた
それはいけないことだけど 忘れられないあの味

   クロネコのトラックが運んでくる 心待ちの小荷物を急ぎ開け
   手作りのラッキョを頬張りながら 走り書きの手紙に目を通す ああ
   思い出の輪をつなぐ 故郷の あの道

   黒雲の空に稲妻が光り 雷鳴が夕立を連れてくる
   屋根を打つ雨の音を聞きながら 明日(あした)からの青空を夢に見る ああ
   さわやかな風薫る 故郷の あの夏

   故郷のあの夏



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 プロフィールのページにも書いてあるようにボクは今は名古屋に住んでいるが四国の生まれである。
何県と聞かれれば「生まれは徳島県、実家は今は愛媛県にある」と答える。父の転勤の度に引越しをした。主なところで「大歩危」「阿南」「日和佐」「瀬居島」「坂出」といったところか。
 おかげで小学校の校歌は3つ歌うことができる。それぞれに良い歌で、中学校・高校の校歌やクラスソングとともに今でも時々口ずさんでいる。入学して1ヶ月しか通わなかった日和佐小学校の校歌はさすがに歌えないが、風光明媚な町だけにさぞや校歌も、と思われて残念だ。
 歌といえば、愛媛県には県の歌があって、県民なら誰でも知っているが(今でもそうですよね)、学生時代居酒屋で歌っては「僕も実は愛媛出身なんです」といった出会いがあったりしてとても好きな歌の一つである。『♪海がある 山がある 空に光があふれてる♪
 
 社会人となってからも年に2回は帰省しているが、どうしても夏のお盆休みの近くとお正月になってしまう。
ただし、大学1年の時だけはゴールデンウィークにも帰った。ホームシックになってしまったのだ。そんなボクを救ったものの一つに歌があるのだが。
 帰省にもいろんなルートがあって、学生時代は主に近鉄電車とフェリー(安いから)、自転車で帰ったこともあったし(海の上はフェリーですよ念のため)、橋ができてからはJRを乗り継いだり、車で渡った。3ルートも完成したのでよりどりみどりである。ちなみに今年の夏は「明石・鳴門」ルートで、淡路島でキャンプ泊する予定。それを実は来週に控えている。子供ができてからはボクの父母(幸い健在な息子たちの祖父母)も孫の成長を見るのを何よりも楽しみにしているようだ。

 そんな父母が今回の歌「梅雨明け宣言」で泣いた。ボク達夫婦の披露宴の席でのことだ。披露宴では花嫁と2曲デュエットしたほかに、お色直しの間にこの歌を弾き語った。照れくさいので正面きって「ありがとう」とか言えないのだが、歌にすると聴き手がいろいろ想像をめぐらしながら聴いてくれるのでよかったのだろう。

 今年の梅雨も明けた。うんざりするくらい暑い日が続くが、夏は好きな季節である。

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