週刊わやソング2001.3.16号(21世紀第11号)  前号へ  次号へ  バックナンバーへ

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無知の知      1991.7     MP3で聴けます


高度情報化社会といわれ 教育水準が高いといわれ
たくさんのことを知っている むつかしいことも知っている
教科書が見せてくれるもの 学校で教えてくれること
正しいことだと信じてる 信じこまされている
   私の頭で考えて 疑ってみなければ
   あやつられているだけの ただの人形になる
     私は何も知らない はじめに それを知る

あるときどこかで事件が起こり すばやく詳しく報道される
警察の調べが報道される 評論家の意見が報道される
TVが見せてくれるもの 新聞が教えてくれること
どちらが悪いと決めつける 決めつけられている
   私の頭で考えて 疑ってみなければ
   本当に悪いことが わからなくなってしまう
     私は何も知らない はじめに それを知る

今ではベッドに寝ころびながら リモコンでTVのチャンネル選び
見たいものだけ選択できる 読みたいものだけ選択できる
地図が見せてくれるもの 歴史が教えてくれること
選ばなかったものからは 何一つ学べない
   私の頭で考えて 疑ってみなければ
   道を外れていても 気付かずに進むだけ
     私は何も知らない はじめに それを知る

   私の頭で考えて 疑ってみなければ
   知ってるつもりだったこと 知らないままいつまでも
     私は何も知らない はじめに それを知る

              はじめに それを 知る

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私は何も知らないことを自覚すること。簡単なようで難しい。知らないより知っている方が偉いと思っているから、何処かで格好をつけたり背伸びをしたりする。そんな人が多い。もちろん、人のふりみて我がふり直せ、である。ボク自身、こういう詞を書いてはいても、何でも知っているつもりになっていて、恥をかくことはしょっちゅうだから。でも、引っ込み思案ではいけないので、知ろうとすること、これが一番大事なのだ。そういえば、ボクの持ち歌には「知らないのに」という似たテーマの曲もある。

 歌詞の補足(蛇足ともいう)をしておこう。

 「教科書問題」というのがある。ボクは自分が偏った教科書で勉強してきたとは思っていないが、疑ってみることは必要だと思う。ただし、最近報道されているような内容の教科書は問題外だろう。

 「冤罪」というのがある。ボクも松本サリン事件の初期の報道で、冤罪を疑ってもみなかった一人として、反省し、その恐さを忘れないようにしたいと思う。

 旅行や出張のとき、たいていガイドブックを買う。だけど、そこに書いていないことは何も知らないままかもしれない、なんてことを思う。

 TV番組「知ってるつもり」は割りとよく見る。もちろん「知ってるつもり」の人の意外な側面とか背景とかがわかって面白いのだが、それで、じゃあ「もう知ってる」となってはいけないのだ。もっとも、ときどき「もともと知らない」人が取り上げられるので、そんなときは素直に「私は何も知らない」と思えるのだ。

 高校の倫社の先生が「歴史上、一番偉い人はソクラテスだ」と言っていた。なるほど。

 思いっきり声を張り上げて歌うと気持ちいい曲なので、カフェプーでライブ録音したものを聴いてください。

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