週刊わやソング2000.11.17号 前号へ 次号へ バックナンバーへ
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「本当に心配しなくては いけないことは何だろう」 1986.4 MP3で聴けます
はるか大陸の彼方の地 原発事故が起きた日に
私は飲み屋で隣の人の 煙草の煙にむせていた
放射能を含んだ雨が 日本の土を濡らす日に
人の行き交う夜の街 まばゆいネオンがついていた
恐ろしいことが起きそうで 不安な気持ちで過ごす人
本当に心配しなくては いけないことは何だろう
はるか大洋の彼方の地 スペ−スシャトルが落ちた日に
私は飲み屋の帰りバイクに ほろ酔いかげんで乗っていた
無残な事故の犠牲者が 海の底から戻る日に
車の行き交う大通り 猫が轢かれて死んでいた
悲しいことが起こるたび ほろりと涙をこぼす人
本当に心配しなくては いけないことは何だろう
わからないことが多すぎて 「どうでもいいや」で済ます人
本当に心配しなくては いけないことは何だろう
本当に心配しなくては いけないことは何だろう
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また、痛ましい事故が起こってしまった。オーストリアのケーブルカートンネル事故。多くの人の命が一瞬にして奪われた。そのものに乗ったことはないが、新婚旅行でスイスのユングフラウに登山電車で登ったとき、山の岩盤をくりぬくトンネルの長さと、登った先の高さに驚いたのを思い出す。
「事故」についてあれこれ考える。
昨年、東海村で原子力関連施設での臨界事故が起こり、被爆した方が亡くなった。これほどまで人為的な事故というのもあるのだ。ボクは電力会社のいう多重防護や安全神話は信じていない。
先日、日本人も乗ったスペースシャトルが無事帰ってきた。もう通算100回にもなる飛行だそうだが、15年近く前のチャレンジャーの事故は、事故そのものや、見送る人の表情が一変するのをTVで見れたという点で衝撃的だった。
「事故」の恐いところは、それが起こることを実際に起こるまでは自身知り得ないことだ。例えば、今日、交通事故でボクは死ぬかもしれない。家族が事故に遭ったという電話が今にも入るかもしれない。
でも心配しているとキリがない。
心配ばかりでは人生を楽しめない。
では、本当に心配しなくては いけないことは何だろう。
遠い国の原発事故で出た放射性物質が日本にまでやってくることか。
日本の原発は安全だとみんなが思っていることか。
電気が足りなくなると快適な暮らしができなくなることか。
自分が乗るはずのない宇宙船の事故は他人事だと思うことか。
お酒を飲んだ後でもついつい運転をしてしまうことか。
猫が轢かれているのを見るのに慣れてしまったことか。
答えはどこにも書いてないのです。