ライン

週刊わやソング

2012. 1. 22号

特集:新曲についてもう少し語る

年末に、反原発ソングとして
『トイレのない家』を作った。

作った動機と経緯を書いておこうと思う。

福島第一原発の事故と
その後続々と問題が明らかになっていくことで、
原発はなくさなきゃいけない、という流れができてきたように思った。
この地球から原発がなくなる日が来るかもしれないという
期待を持ったこともあった。

だけど、海外への原発輸出は止まらないし、
浜岡を除くと定期点検以外では止めようともしていないし、
止めている原発も再稼動しようという動きが見えてきて
ダメなのか、自分には何もできないのかと、
もどかしい思いでいた。

そんなときに、以前から言葉としては知っていたが
「トイレなきマンション」という言葉が目に入り、
これを歌にしたら面白いだろうと思って
ストーリー仕立てにしたら
驚くほどスイスイと詞ができてしまった。

そして適当なコード進行でギターを弾きながら
語るように歌ってみたら
ものの数十分で曲もついてしまったのだ。

もちろん、節回しを変えてみたり、
メロディに乗らない言葉を置き換えたり、
より、筋が通るように詞を見直したりはしたけど、
実質、二日で完成した。

新曲ができると、いつも、
早く人前で歌いたくてウズウズするのだけど。
この曲はその気持ちがすごく強かったな。

そして、できるだけ多くの人に聴いてもらいたいという想いも。
この想いから、初めてYouTubeでライブ動画を公開することにした。
2012年1月19日アランプーサンにて。



さらに、ふつうは何回かライブで続けて選曲すると、
しばらくは選ばなかったりするのだけど、
これは当分の間、必ず歌うことにしようと思う。


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「トイレのない家」


2011.12.25 詞・曲わや

僕の家にはトイレがない 買ったときからそうだった
不動産屋に質問したら そのうちできるから問題ないって
だからないまま住み始め 汚物はとりあえず溜めておく
そんなに気にはならないものさ 換気扇が回っているから

トイレのない家に住む そんなバカなって思うよね
でも特に困ってなければ 忘れていられるかもしれないね

トイレがないその代わり 僕の家はとっても便利
何でも電気でできてしまう 電気代も安くなってるらしいし
TVもゲームもパソコンも 欲しいものは何でも手に入る
これがなくなる暮らしには いまさら戻れるとは思えない

トイレのない家に住む そんなバカなって思うよね
でも今に満足してたら 忘れていられるかもしれないね

不安なことは汚物のタンク もしも壊れたら大変だ
だけど不動産屋はにっこり笑い 絶対大丈夫と繰り返す
満タンになったらどうすりゃいいの そうなるまでにはなんとかします
納得できんと文句を言ったら じゃあ電気を止めるよと脅された

トイレのない家に住む そんなバカなって思うよね
でも先の心配しなければ 忘れていられるかもしれないね

ある日地震でタンクが壊れ 汚物が部屋の中に溢れだす
不動産屋に抗議をしたら 想定外だと言い訳された
その部屋にはもう入れない ドアに鍵をかけ立ち入り禁止
新しいタンクはどこに置けばいい いつまで住めるだろうこの家に

トイレのない家に住む そんなバカなって思うよね
でもそれにも慣れてしまったら 忘れていられるかもしれないね

トイレのない家に住む そんなバカなって思うよね
でもそれにも慣れてしまったら 忘れていられるかもしれないね




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